空き家とは

 「空家等対策の推進に関する特別措置法」は、適切な管理が行われていない「空家等」が生活環境に及ぼす影響から地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、「空家等」の活用を促進するため、それらに必要な事項を定めることにより、「空家等」に関する施策を推進し、公共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的とする法律です。
この法律で、「空家等」とは、「建築物又はこれに附属する工作物であって、居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地」をいいます。 ただし、国や地方公共団体が所有又は管理するものは除かれます。
「建築物」には、一般的な建物(門や塀を含む)のほか、屋根のない野球場や競技場のスタンド、地下街や高架鉄道内の店舗なども含まれます。 「これに附属する工作物」には、ネオン看板などの工作物が該当します。
「居住その他の使用がなされていないことが「常態である」とは、その状態が長期間にわたって継続していることを意味しますが、概ね年間を通して建築物等の使用実態がないことが一つの基準となると考えられています。 使用実態の有無については、市町村長による立入調査等によって判断されることになります。

地域社会に影響を及ぼす空き家

 「平成30年住宅・土地統計調査結果」(総務省統計局)によると、全国の総住宅数6240万7000戸のうち空き家は849万戸で、空き家率は13.6%と過去最高に達しています。 今や7~8軒のうち1軒が空き家ということになります。
そのなかでも、定期的な管理がされていないとされる一戸建ての空き家が毎年10万戸程度増加しているとみられます。
人口減少、住宅の老朽化、社会ニーズの変化、産業構造の変化などが空き家増加の背景といわれていますが、空き家が増加することで住宅の適切な管理が低下するおそれもあり、地域社会へ深刻な影響を及ぼしています。
そこで、400を超える自治体では空き家に関する条例を制定し問題解決に乗り出しましたが(平成26年10月現在)、限界もあり、国策として対応が求められ、ついに「空家等対策の推進に関する特別措置法」が作られるに至ったのです。

空き家を放置するとどんな問題が起こる?

■防災性の低下(建物倒壊、放火による延焼)
■防犯性の低下(不法侵入、犯罪に用いられる等)
■不法投棄(ごみ、危険物等)
■衛生上の悪化(悪臭や虫害の影響、動物の侵入等)
■景観の悪化(落書き、樹木の越境、落ち葉の飛散等)
■前述の問題から生まれた弊害に対する賠償責任
■固定資産税やマンションの管理費等の負担
■補修などの維持費の負担
このような問題への対応が求められています